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divorce
離婚・男女
2022.04.22

別居した子どもを取り戻す方法

Q質問内容

昨日,配偶者が小学5年生の子どもを連れて出て行ってしまいました。「離婚したい」ということで,どうやら自分の実家に帰ってしまったようです。離婚するかについては考えが未だまとまらないのですが,子どもだけは返してほしいと思っています。どうすれば良いでしょうか。

A回答内容

残念ながら,現在の運用においては夫婦のどちらかが子を連れて出ていくこと自体は原則として違法にはなりません。

他方で,別居先で生活している子を強引に取り戻そうとする場合は,未成年者略取及び誘拐罪(刑法224条)が成立する,とした最高裁判例があります(最決平成17年12月6日等)。この状況の是非は別として,子と一緒に生活するためには,こちらから法的手続を採る必要があります(もちろん,話し合いによって任意に子を返してくれれば良いですが,それが実現するのは特殊な例です)。

まず考えられる方法は,離婚後に親権者として子と生活することです。
しかし,この方法は,離婚を先行させることになりますので,当然離婚が成立して親権を得るまでの間は同居が叶いません。

また,任意協議からの調停,さらには離婚訴訟,と解決までに時間がかかる場合,別居先での子の生活が長くなるため,離婚に至ったとしても親権を得ることが難しくなります。これは,親権を決めるにあたっての判断要素のひとつに「現状維持」があり(継続性の原則といいます),別居先での生活が長引くと,その生活が「現状」として肯定的に評価される可能性があるためです。

それを踏まえると,迅速に別居先から子を取り戻す方法は,離婚ではなく,①子の監護者指定の審判,②子の引渡しの審判,③それらの仮処分(審判前の保全処分)を申し立てることになります。

①子の監護者指定の審判とは,夫婦は離婚するまで共同で親権及び監護権を持っている(民法818条3項)ところを,離婚して単独親権者を決めるまでの間は,自分だけを監護者に指定してもらうことを趣旨とする審判手続です。
②子の引渡しの審判とは,①で監護者が自分だけに指定されることを前提として,監護権者でなくなった配偶者から,現在別居先にいる子の引渡しを受けることを趣旨とする審判手続になります。
③は,緊急に判断が求められる場合に,その権利を保全するためにとりあえずの暫定的な結論を出す手続(家事事件手続法157条1項3号)です。迅速に暫定的な結論を出すことで権利を守る,という目的のため,審理の期間は①と②に比べると早く,また相手方の不服申し立てによっても手続が止まらないというメリットがあります。

ただ,あくまでも暫定的な結論なので,通常の審判(①・②)を申し立てている必要がありますし,保全が認められる要件のハードルも高いです。具体的には,審判が認容される蓋然性のほかに,「子の福祉が害されているため早急にその状態を解消する必要があるときや、本案審判を待っていては、仮に本案で子の引渡しを命じる審判がされてもその目的を達することができないような場合」であるという「保全の必要性」が要件であると考えられています。

そのため,保全処分を申し立てたとしても,要件を充たさないとして,通常の審判と同時進行で審理が進められ,同じタイミングで終結することも良くあります。
ただ,その場合でも全体の進行が早まる可能性がありますし,そもそも①・②・③は同時に申し立てることができる以上,保全を申し立てることによるデメリットはあまり想定されません。

したがって,①と②の手続のほかに,③子の引渡し及びの申し立ても同時におこなうことが基本になります。

申立後は,当事者双方の主張とその整理,家庭裁判所の調査官による調査(面談や家庭訪問)を経て,審判がなされることになります。通常は数か月から半年程度はかかるイメージです(保全が認められる事案であればより早く結論が出ることが多いです)。
上述のとおり,この申し立ては「連れ去り」から迅速に申し立てる必要がある反面,認められるためにはポイントを外さず十分な主張・立証をすることが求められます。また,請求が認められた場合も,その実現手段としての執行の場面で,2週間という短期間で執行しなければならない(民事保全法第43条第2項)といった注意点があります。弁護士に委任するべき手続です。まずはご相談をお勧めいたします。

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