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child-consul
児童相談所
2021.06.09

一時保護期間の延長と親権者の同意

Q質問内容

一時保護中の子どもがいるのですが,この前の児童相談所での面談の際に保護の延長の「同意」を求められました。どういう意味ですか。同意するとどうなるのですか。

A回答内容

一時保護とは,「児童の安全を迅速に確保し適切な保護を図るため、又は児童の心身の状況、その置かれている環境その他の状況を把握するため」に,児童福祉法に定める措置を採るまでの間,一時保護所等に児童を保護する一時的な措置のことです(児童福祉法33条)。この一時保護自体は,親(親権者)の了解・同意がなくとも採ることができる措置ですから,ある日突然一時保護された,というケースは少なくありません。

他方で,あくまでも「一時」的な措置であるため,原則として2か月間を超えることができないという制限があります(児童福祉法33条3項)。

ただ,「必要があると認めるとき」には2か月を超えて一時保護ができ(同条4項),この判断は児童相談所長(及び都道府県知事)がおこないます。そうすると,児童相談所における一時保護を延長する判断を児童相談所(長)がする,ということになり,抑制が効かずに一時保護がされてしまう懸念が生じます。一時的であるとはいえ,児童の自由や親権者の親権を制限する強力な措置であることを踏まえて,児童福祉法は,「親権者の意に反する」場合には,2か月ごとに家庭裁判所の承認を得なければ延長できない旨を定めています(同条5項)。

そのため,児童相談所は,(家庭裁判所の承認を得る手続きを避けるため)2か月を超えての一時保護を考えている場合,親権者に対して,事前に「意に反しない」ことの確認,つまり「同意」を求める運用にしています。

要するに,一時保護の延長について,親が同意をしている限りは,一時保護は児童相談所の判断によって延長が可能になり,反対の意向を示すと,2か月ごとに家庭裁判所の承認を経ないと延長できない,ということになります。

同意の方法ですが,通常は,書面(同意書)にサインする形を求められます。ただ,「意に反する」と評価できなければ(家庭裁判所の承認なしでの)延長が可能であるため,積極的に反対を表明しない限りは「同意している」と判断されて,そのまま一時保護が続いてしまう可能性はあります。また,家庭裁判所に承認の審判を申し立てさえすれば,審判が確定するまでの間は,2か月を超える一時保護ができるうえ,次の2か月間の保護期間は審判の確定からスタートします(同条6項及び7項)。

そのため,早い段階で(できれば書面で)明確に一時保護の延長に対する反対意見を述べることが望ましい,ということになります。

ただし,いかなる場合にも一時保護延長に反対するべき,というわけではありません。反対することでかえって保護期間が延びるケースもありますし,保護解除に向けたプログラムの進行が止まることもあります。もちろん,そういった事情を踏まえても家庭裁判所の判断を仰ぐべきケースも多くあり,一度同意をしたうえで,当該期間中の状況に応じて同意を撤回する,という対応もあり得るところです(その場合,次の2か月経過時に家庭裁判所の承認が必要になります)。

したがって,一時保護の延長に親権者として同意するかどうかは,事案の軽重や状況に応じた検討が必要です。まずは弁護士にご相談されることをお勧めいたします。

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