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divorce
離婚・男女
2020.07.07

浮気の慰謝料を請求する場合の準備と方法

Q質問内容

妻が浮気をしていました。離婚するかはともかくとして、浮気相手の男に慰謝料を請求したいのですが、どうすれば良いですか。

A回答内容

不法行為に基づく損害賠償(民法709条)として,相手に慰謝料を請求するためには,①加害行為(=浮気の事実)、②故意・過失(=相手方「浮気」であることを知っていた,あるいは知りえたこと)、③損害(=精神的苦痛の量としての慰謝料額)が必要です。訴訟になった場合のことを想定するのであれば、それぞれについてある程度の証拠を揃える必要があります。

このうち、最も重要であるのは、やはり①加害行為、すなわち浮気の事実を示す証拠です。ここでいう、「浮気」(不貞行為)とは、基本的に性交渉あるいは性交類似行為を意味します。

ただし,なぜ浮気が「不法行為」になるかというと、婚姻関係を破綻に導くような行為であることが理由ですから、必ずしも性交渉等のみが不法行為に当たるわけではありません。実際の裁判例でもこの考え方を前提とした判断をしているもの、例えばキス等によって加害行為を認めた裁判例もあります。

これを踏まえて、①浮気の事実を示す証拠ですが、性交渉等そのものを記録している証拠が必要なわけではありません。客観的な第三者 (=裁判官)からみて、浮気(上記のとおり、婚姻関係を破綻に導くような行為)を推測させるような内容であれば足りることになります。具体的な媒体としては、LINEやメール、(2人が写った)写真が一般的で証拠になりやすいところですが、事実認定は総合評価であるため、LINEやメール等がないと駄目、ということではありません。例えば、ホテルの領収書や携帯電話のGPS履歴といったものも証拠として認めた裁判例もあります。

また、当然、浮気の当事者が浮気を認めた証言は証拠になり得るわけですが、口頭で認めたとしても、後から否定される可能性があるため、どのように証拠化するか工夫する必要があります。

現時点で手持ちの証拠がない場合、興信所(探偵)に証拠収集を依頼することが有効なこともありますが、ある程度まとまった費用が掛かりますので、後述する慰謝料額や回収可能性との関係で、収支がマイナス(回収した慰謝料よりも興信所に支払った金額の方が大きい)になることがあり得ます。そのため、慎重な検討が求められるところです。

続いて、②故意・過失ですが、要するに相手が既婚者であることを知っていた(あるいは知り得た)ことが分かる資料が必要です。上記①と同様、LINEやメール等のやり取りから判断できることもありますが、職場の同僚同士の浮気等、元々の関係性から既婚者であることを当然知っていたような(あるいは知ることができたであろう)ケースでは、特段の立証は不要なこともあります。

最後に、③損害です。慰謝料とは精神的苦痛を填補するものではありますが、裁判においては,個人の心のうちを測ることはできないため、具体的な事実関係から慰謝料額を算定しています。具体的な要素としては、婚姻期間や子供の有無、浮気(不貞行為)が始まった時点における婚姻関係、浮気の期間や回数、浮気発覚後の態度等、浮気によって離婚に至ったか等が挙げられます。特に、浮気によって夫婦が離婚に至ったかどうか、が慰謝料に与える影響は大きい印象です。

また、浮気は、浮気の当事者2人の共同不法行為(民法719条)ですから、慰謝料を請求された浮気相手が支払った場合、内部での求償が問題になります。特に離婚しない場合は、せっかく浮気相手から慰謝料を回収しても、そのあと配偶者に請求されることを想定しておく必要があろうかと思います。

これらを踏まえたうえで、具体的な請求方法について考えることになります。基本的には任意での支払いを求めて、話し合いがまとまらなければ訴訟、という流れですが、それぞれの状況や慰謝料の回収可能性等から判断することになります。

事情ごとの柔軟な対応が必要な分野ではあるため、まずはご相談ください。

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