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医師・歯科医師
2020.06.29

医師・歯科医師に対する行政処分の流れ

Q質問内容

役所から「行政処分対象事案の調査について」という通知が届きました。今後私はどうなりますか。

A回答内容

例えば,罰金以上の刑に処せられた場合,刑事処分のほかに,行政処分が科せられることになります(医師法7条1項,同法4条3号)。この医師(歯科医師も同様)に対する行政処分は,重い順に,医師免許の取り消し,(3年以内の)医業の停止,戒告となっており,その下に行政指導として「厳重注意」があります。

これらを決めるのは,医師法上は厚生労働大臣(医師法7条柱書)ですが,実際は医道審議会(医道分科会議)の答申によって決せられることになります。

具体的な処分までの流れは,

①行政処分の対象となる(上記の刑事処分を端緒とする場合,検察庁から情報提供がされます)

②「行政処分対象事案の調査について」(行政処分対象事案報告書)が対象者に送付される

③対象者が作成・提出した行政処分対象事案報告書(「事案報告書」といいます。)を踏まえ,担当部署において意見の聴取(あり得る処分の中に医師免許取消処分が含まれるのであれば意見の聴取)をおこなう

④聴取内容を踏まえて医道審議会において処分の審議がなされ,結果を厚生労働大臣に答申する

⑤(不処分を含む)処分

となります。今回のご相談は,上記②の段階です。ここで提出する「事案報告書」には,処分対象者の情報(住所や連絡先,経歴,現在の勤務先など),処分対象事案が刑事事件絡みである場合,事案の概要や刑事処分の結果,被害者への補償(示談)の有無などを記載することになります。

この事案報告書を踏まえて,各都道府県の担当部署において行われるのが,弁明の聴取です。なお,提出した事案報告書等から,免許取消処分もあり得る場合には,意見の聴取と呼称が変わることになります(流れや内容に大きな変化はありません)。

この弁明の聴取においては,事案報告書に記載した事項のほかに,行政処分を前にした「弁明」,例えば反省状況や示談の成立の事実その他の良い事情を直接述べる(あるいは意見書として提出する)ことになります。この聴取者は,担当職員であって判断権者ではないため,やはり口頭だけではなく書面を提出することが望ましいところです。

事案報告書と弁明の聴取の結果を踏まえて,医道審議会において各対象者に対する行政処分の検討がおこなわれます。医師法上の処分者は厚生労働大臣ですが,当然,この医道審議会における行政処分についての答申が採用されることになります。

医道審議会には対象者本人は参加するわけではありませんから,処分の軽減のために重要なのは上記②の事案報告書の提出と,③の弁明の聴取ということになります。

これらを適切におこなうためには,過去の処分データと当該事案の特殊性(例えば被害者の有無等)を踏まえた十分な事前準備と詳細な意見書等が必要です。

④医道審議会から⑤処分までの期間は比較的短いといえますが,上記①から⑤までの期間は事案によって大きく異なります。準備に時間がかかることもありますから,まずはご相談ください。

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