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child-consul
児童相談所
2020.06.26

子どもが一時保護されてしまった場合の対応

Q質問内容

一時保護されてしまった子どもについて,できる限り早期に帰宅してもらうためにはどうすれば良いですか。

A回答内容

一時保護からの早期帰宅を目指す方法については,事案の内容や手続の段階に応じて検討する必要があります。

まず,一時保護(児童福祉法33条)自体に対してですが,行政不服審査法に基づき,異議申立てや審査請求といった不服申立が可能です。しかし,一時保護は「必要」があれば認められ,その判断には児童相談所(所長)の比較的広い裁量が認められてしまうこと,一時保護は2か月を一区切りとする(同条3項)まさに「一時」的なものであり,不服申立をしてもその審査期間にある程度時間がかかることに鑑みれば,いかなる事案においても実行するべきかには疑問が残るところです。

一時保護それ自体を争わない場合において,最も早い一時保護解除は,児童相談所による自主的な解除です。そのため,しっかりと児童相談所と話し合うことが重要です。

ただし,一時保護がなされている以上,児童相談所に対して単に「返してほしい」と訴えるだけでは一時保護が解除される見込みはありません(むしろ児童相談所の印象としては逆効果であるといえます)。しっかりと「児童相談所の考える一時保護の具体的な理由」を把握したうえで,一時保護につながった事実の不存在,あるいは当該事実に関する問題はすでに解決したことを,客観的資料を踏まえて説得的に述べる必要があります。

およそ事実無根の一時保護,というわけではない場合,ガイドライン等からすると①(一時保護につながるような事実の)再発の危険性が認められないことと,②再発を防ぐ家族周辺の援助体制のネットワークが形成されていることが,一時保護解除に必要な要素となっています。そのためには,「反省した」という言葉では足りず,例えばカウンセリングに通ったり,環境を変えたりする等,問題の適切な把握とその除去が必要です。また,②の再発を防ぐ家族周辺の援助体制のネットワーク形成も重要であり,近所に住む親族はもちろんのこと,事案によっては児童の通っていた学校の関係者(担任の先生や校長先生)の協力を取り付けることも有益です。

また,児童相談所による一時保護の期間は,原則2か月であり,それを超える場合には①親権者の同意を得るか,②家庭裁判所の承認を得る必要があります(児童福祉法33条4項及び同5項)。児童相談所としては,(その性質上調査に時間がかかることもその理由ではありますが)比較的安易に一時保護の延長について同意を求める傾向にありますが,当然同意をしてしまえば2か月のタイミングでの帰宅はなくなりますので,事案や事態の進捗に応じて検討する必要があります。同意しない場合,児童相談所は家庭裁判所での承認を求める審判を申し立てることになります。この家庭裁判所による承認審判は,児童の住所地を管轄する家庭裁判所でおこなわれます(家事事件手続法234条)。

この審判においては,親権者の陳述が義務付けられており(家事事件手続法236条),ここで一時保護期間の延長についての意見書を提出し,あるいは主張を述べたりすることになります。主張するべき内容は,上記①及び②を踏まえて,一時保護の(延長の)要件を充足しないこと,になります。なお,この手続の中で,児童相談所から家庭裁判所に提出された一時保護期間延長の承認を求める申立書を閲覧できますが,この申立書には,一時保護期間中の子どもの様子や一時保護延長が必要であると児童相談所が考える理由等が記載されており,参考になります。

なお,この一時保護延長に関する承認の審判に対しては,2週間以内であれば即時抗告という不服申立が可能です(家事事件手続法238条)。

いずれにしても,早期の段階で十分な準備や環境の調整をおこなったうえで,一時保護やその継続についての法律上の要件を踏まえて粘り強く交渉していくことが必要です。まずは早期にご相談されることをお勧めいたします。

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